先進医療の三菱三原病院

診療科・部門紹介

肛門外来

当院では2015年1月〜肛門科を専門外来として開設し、痔を中心に肛門の病気の診察・治療を行っています。

肛門の病気といっても様々な病態、疾患があります。病院で診察を受けるのに抵抗があってなかなか受診されない方が多くいらっしゃいますが、正しい診断を受けずに市販の外用剤で様子をみたり、放置したりされている患者さんの中には、悪化されている場合もあるので注意が必要です。

当院では内痔核に対して、ALTA療法(四段階注射法)という、切らずに注射で治す治療も行っておりますので、まずは正確な診断を受けるために当科を受診してみてください。

痔の種類

痔には大きく分けると、痔核、裂肛、痔瘻という3つの種類があります。みなさんの知っておられる、いぼ痔は痔核に、きれ痔(裂け痔)は裂肛に相当し、あな痔は痔瘻に相当します(図1・2・3)。さらに痔核は内痔核と外痔核に分類されます。

いぼ痔(痔核)

(図1)

きれ痔(裂肛)

(図2)

痔ろう

(図3)

痔核(いぼ痔)

痔核はいきんだ時など、肛門に強い負担がかかることによって、肛門を閉じるのに役立っているクッション部分が腫れている状態です。

内痔核と外痔核(図4)

痔核(いぼ痔)は歯状線より上側(直腸側)に生じる内痔核と下側(肛門側)に生じる外痔核に分類することが出来ます。歯状線とは、肛門管に存在する直腸と肛門の境界の線のことで、粘膜と皮膚の境界線でもあります。

粘膜部分は痛みを感じませんが、皮膚部分は痛みを感じるといった特徴があり、これが内痔核と外痔核の症状の違いの要因にもつながります。すなわち、内痔核は痛みはないが、外痔核は痛みを感じるということです。

内痔核  歯状線より上の直腸部分にできる痔核です

・粘膜部分に出来るので痛みはなく、初期には残便感や排便時の出血が見られます。

・放っておくと徐々に大きくなり、肛門外に脱出するようになります。

外痔核  歯状線より下の肛門部分にできる痔核です

・皮膚部分に出来るので痛みを伴います。

・排便やスポーツなどでいきんだ時に出来る「血栓性外痔核」もあります。
   ズキズキした激しい痛みを伴います。

(図4)

内痔核単独で存在することは少なくありませんが、悪化すると内外痔核として存在することが多く見られます。

嵌頓痔核は脱出した際に肛門括約筋(肛門を閉める筋肉)で絞扼されて嵌り込んだ状態となり、激しい痛みとともに、ひどい場合は潰瘍を形成し大出血する場合もあります。

裂肛

硬い便や下痢によって肛門の出口付近の皮膚が切れてキズになった状態です。

・排便時にひどく痛み、その後もジーンとした痛みが残ります。

・出血は排便時にわずかに紙につく程度です。

・慢性化するとキズが深くなり、便の通り道が狭くなる肛門狭窄という状態になって、ますます排便が困難になります。

痔瘻

歯状線に存在するくぼみから細菌が入りこんで肛門腺という組織が感染源となって化膿したものを「肛門周囲膿瘍」といいます。そこでたまった膿が外に出るためにできた管が残った状態を「痔瘻」といいます。

・膿が出ます。

・出口がふさがって膿がたまると腫れ、熱が出て激しく痛みます。

・多くの場合、膿の管が残ったままの状態になるため、根治的な手術が必要となります。

痔核の治療

痔核は良性の病態であるため、治療の基本は外用薬を主体とし生活習慣に気をつけるといった保存的治療が中心です。

ただ、保存的治療で改善しない場合や症状が日常生活を送るうえで困る場合に手術を含めた処置が必要となります。

当院では、痔核に対しては手術療法以外に外来で簡単に処置できるゴム輪結紮療法や、切らずに注射で治すALTA療法(四段階注射法)も積極的に行っており、患者さんのニーズにお応えした治療を総合的に行っています。

実際に痔核に対するゴム輪結紮療法・手術療法(根治手術である結紮切除術)・手術でも注射で治す四段階注射法(硬化療法)を紹介します。

ゴム輪結紮療法

特殊なゴム輪結紮器を用いて痔核(内痔核成分)にゴム輪をかけて7日〜10日で粘膜ごと痔核を脱落させる方法です。

外痔核部分には疼痛が生じるため適応がなく、硬すぎる痔核や小さすぎる痔核だとゴム輪結紮してもゴム輪が脱落してしまうため、適応がありません。

外来で麻酔なしで処置可能で、処置後は帰宅可能ですが経過を追う必要があります。

効果は一時的で、半年〜1年後の再発の可能性が手術に比べれば高くなります。

ゴム輪結紮器

ゴム輪結紮器

実際のゴム輪結紮の流れ

実際のゴム輪結紮の流れ  (「肛門疾患プラクティス」岩垂純一 編著より引用)

手術療法

A.結紮切除術

痔核の根部血管を結紮して痔核を放射状に切除する方法です。痔核の大きさや内外痔核の割合を問わず、急性痔核・他の病変の合併した痔核など、あらゆるタイプの痔核に対応可能で根治性の非常に高い方法です。

腰椎麻酔(サドルブロック)(下半身だけが麻痺する麻酔です)下に手術を行います。

入院は10日〜14日間必要で、退院後はしばらく定期的な外来通院が必要となります。

(四段階注射法講習会テキストより引用)

B.ALTA療法(四段階注射法)

ALTA療法(四段階注射法)、切らずに治る痔核の治療法として近年盛んに行われるようになった治療法です。

という注射薬を内痔核に注射することによって、痔を硬く退縮させる効果があります。

当院では、この治療法を積極的に取り入れて行っています。

全ての痔核に適応があるわけではなく、内痔核や、外痔成分の大き過ぎない内外痔核に対して適応があります。

(全ての痔核に対応が可能なわけではありませんので診察による正確な診断が必要です)

適応が限られますが、根治手術の成績に非常に近い治療効果があります。

ALTA療法単独での治療の場合、2泊〜3泊の入院で治療可能です。

出来るだけ切除を少なくするために根治手術にALTA療法を併用する場合や、外痔核成分のみを切除して内痔核成分にはALTA療法を行うといった場合もあります。

根治手術と同様に腰椎麻酔(サドルブロック)下に行います。

退院後はしばらく定期的な外来通院が必要となります。

<四段階注射法の方法と流れ>

上の図のように痔核を4つの部分に注射を行います

四段階注射法注射前

注射前の内痔核

四段階注射法注射後

注射後に痔核が硬くなっていき
ゆっくり委縮していきます

裂肛の治療

排便コントロールと外用剤による薬物治療といった保存的治療が基本となります。ただ、慢性裂肛となり肛門狭窄が高度となった患者さんには手術が必要です。

慢性裂肛に対する具体的な術式としては、側方内肛門括約筋切開術(肛門周囲の輪状の筋肉の一部を切開して肛門狭窄の改善を図ります)や肛門形成術などで、症例に応じた手術を行っています。

痔瘻の治療

膿の管が残ったままの状態にしておくと肛門周囲膿瘍を繰り返すことになるため、膿の管を切除してきれいにする手術が必要です。

具体的な術式としては、切開開放術(瘻管をくり抜くように切除(コアリングアウト)したのちに、天井部分の皮膚を切開してドレナージ創とする)やシートン法(瘻管にテープをかけて持続的な瘻管のドレナージを行う)など標準的な再発の少ない治療を行っています。

その他の肛門直腸疾患

直腸脱

肛門から直腸粘膜、直腸壁全層が脱出する病気です。骨盤の底の筋肉が脆弱になったり、直腸の固定が緩んだりすることが原因で、特に高齢の女性に多く見られます。

便秘や排便時のいきみが誘因となっていることがあります。程度の軽いものは、排便コントロールで様子見ますが、日常生活を脅かすような高度な症状の場合には手術を行います。

当院では侵襲を少なくするため、腰椎麻酔(サドルブロック)下に行う、ガント・三輪―ティールッシュ法やデロルメ法などの手術方法を行っています。

肛門管癌、下部直腸癌

大病院での手術が基本となりますので、希望に応じた病院に紹介させて頂きます。

担当医紹介と外来診察日

小川先生

外科部長
小川    尚之
(おがわ    たかゆき)

当院では新しい治療も積極的に導入し、患者さんの仕事などの生活背景も視野に入れて最もよい治療法を選択するようにしています。肛門の症状でお困りの方は、まずは当科にご相談ください。

当科での肛門疾患の外来診察日 月曜、水曜、土曜日(第2、4土曜日)の午前中

お問い合わせ

三菱三原病院

広島県三原市糸崎3丁目3-1

TEL(0848)62-7331

外科(0848)67-2903

もっと詳しく知りたい方は 三菱病院外科まで
お気軽にお問い合わせください。

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